社会人と大学
知的生活を送るために
文藝春秋6月号で、評論家の立花隆氏が「団塊こそ“知の救世主” 社会人大学を占拠せよ」というタイトルで寄稿している。
冒頭、自身が今年から教授を務めている立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科
の研究内容を紹介。担当するゼミの授業では、現役の放送作家、経営コンサルタント、自治体幹部等、多彩なバックグラウンドの学生が、「立教立花組」として、手始めにゼミのホームページを共同制作しているという。
この論稿の目的は、ヒマもカネもできた退職世代と退職予備軍に向けて、知的で有意義な生活を送るためのヒントを与えるというものだが、立花氏は、それには、大学に戻るのがいちばんだと述べる。さまざまな教授がさまざまな授業を行う大学こそ、知的インフラが最も整っている場所で、さらに友人も得られる。カルチャースクールでは味わえない真剣な学びの場が大学にはあり、若い頃とは違った気軽なキャンパスライフをエンジョイできる、と大学で学びなおす意義を強調する。
大学の側でも、若年学生の減少期に突入した今、社会人学生の獲得に積極的に取り組んでいる。東京経済大学等、シニア学生のために特別の入学枠を設けるところも増えている。社会人層を単に新たなマーケットとして捉えるばかりでなく、経験豊富で勉学意欲旺盛な社会人、シニアが合流することによって、キャンパスが活性化すると考える大学が多い。
東国原知事 転身のきっかけ
今話題の宮崎県・東国原知事も、社会人学生として大学で再び学んだことが、人生の大転身の契機となっている。
高校卒業後入学した専修大学では、きちんとした学生生活を送らなかったという後悔があった。タレントとして不祥事を起こし、謹慎生活を余儀なくされた41歳のときに、大学入学を決意して受験勉強を開始する。
早稲田大学第二文学部に入学後は、再開した芸能活動と大学での勉学を両立。外国語の学習、パソコンの習得や試験、レポートに悪戦苦闘しながら視野を広げ、学問の面白さに目ざめていく様子が、2004年に出版された著書『芸人学生―僕が学びつづける理由 』に詳しく綴られている。早大二文卒業後、難関で知られる同大政治経済学部に同じく社会人入試で入学しているが、こちらは選挙活動のため、中退している。
そもそも幼少時から芸人と政治家を志していたそうだが、早稲田で受講した地方自治や政治関係の授業によって大いに啓発を受け、地方政治の世界へ自ら足を踏み入れる決意に結びついたようだ。
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