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eラーニングの専門家

高等教育にも広がるeラーニング

エジプト考古学者として知られる吉村作治氏(前早稲田大学教授)が学長を務めるサイバー大学が、サイバー大学2007年4月にスタートする。IT専門家を養成するIT総合学部と文明や地域環境への理解を深める世界遺産学部というユニークな学部を設置するが、授業のすべてをインターネットによって行う(スクーリングは一切ない)。

学生は、自宅のパソコンから大学のサーバーにアクセスして、好きなときにコンテンツ(授業)を再生。24時間いつでも受講でき、何度でもくりかえし学習できるというオンデマンドシステムで学位の取得を目指す。

八州学園大学また2004年に誕生した八洲(やしま)学園大学も、通学せずにインターネット学習によって学士取得が可能となる大学だ。「家庭をマナブ、家庭でマナブ」をキャッチフレーズに、家庭教育や生涯学習社会の理念・意義を学ぶ。さらに早稲田大学人間科学部も、eラーニングによる通信課程「eスクール」を開設している。

資格取得の通信講座などで、eラーニングによる学習方式が一般的になりつつあるが、大学や大学院など高等教育においてもブロードバンド環境の定着とともに、eラーニングの導入が拡大している。

放送大学だと授業の放送時間(時間割)が決まっているが、こうしたオンデマンド方式では、映像による授業配信を学習者が自分の都合に合わせて、好きなときに何度でも見られる点で、忙しい社会人や育児をかかえた母親にふさわしい学習形態といえる。

eラーニングのもう一つの特徴として、従来の通信講座に比べてコミュニケーション性や個別サポート体制に優れている点が挙げられる。通信教育は通学学習と比べて、自分のペースで学べるので時間を有効活用できる点がメリットだが、その反面孤独な勉強を強いられ、モチベーションを持続したり、わからないところを質問して即座に疑問を解消するということに難がある。

しかし上記いずれの大学のeラーニングでも、電子メールで教員が質問にすぐ回答したり、学生個々の学習進捗状況に応じて、メンターやコーチと呼ばれる学習アドバイザーが指導を行うシステムを整えている。学生同士の意見交換やコミュニケーションもBBS(掲示板)で可能となっている。

熊本大学大学院の試み

eラーニングにおいて、講義ビデオの配信がある場合は、担当する教員の教授スキルそのものが一番のポイントとなるのは間違いないが、あわせて教育設計のコンセプトやポリシー、映像コンテンツ・教材の洗練度、学習進捗状況を管理し、それに応じて受講生をサポートする仕組み等、eラーニングシステム全体の品質が学習者にとってカギとなる。

熊本大学では2006年4月より、こうした「eラーニングを提供する側の専門家」をeラーニングによって育成する大学院(修士課程)を開設した。

熊本大学大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻のコンセプト教育の効果・効率・魅力を高めるための方法論(インストラクショナル・デザイン)や情報通信技術、著作権や教育ビジネスのマネジメントを体系的に学び、企業内教育や教育産業、大学・学校教育などの分野でeラーニング開発を行う人材の輩出を目標とする。インターネットを通じたディスカッションやクラスワーク、グループワークによって、教員と学生がお互いに学び合い・教え合いながら、新たな知の創出を目指すという。

カリキュラムを見ると「eラーニング概論」「情報技術方法論」「教育ビジネス経営論」等の理論科目以外に、プログラミングやHTML、サーバ管理、セキュリティ技術等実践的・技術的な科目も多く設置されている。大学院でありながら、専任教員の年齢が若いことが目を引く。先端の理論と技術を学ぶことができそうだ。

現在、在学生はIT企業勤務者、教育ビジネス関係者等全員が社会人だという。興味ある特定の授業科目のみ履修が可能な科目等履修生の募集も行っている。

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