生涯学習時代の今日、世代を超えて多くの人々が、さまざまな学習活動を意欲的に行っています。このサイトでは、いろいろな勉強に役立つウェブコンテンツや書籍・教材を[勉強の道具]として紹介しています。

いろいろな勉強に役立つ書籍やウェブコンテンツを[勉強の道具]として紹介しています。

  1. HOME
  2. 趣味・教養 >  バベル

バベル

話題の映画『バベル』

菊池凛子が2007年度のアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた映画『バベル』の日本での公開が始まった。砂漠を走る観光バスに向けて発射された一発の銃弾をきっかけとして、一見何のつながりもないモロッコ、映画バベル公式サイトアメリカ、メキシコ、日本の各地にちらばる人々とその行動が、謎をはらみながらも次第に関連づけられていく。

奇抜で意外性のあるストーリーが、各地域の日常的な情景や繊細な心理描写を重ねることで、リアリティーに満ちたスリリングな展開となって進行していく。そして、ブラッド・ピットケイト・ブランシェットガルシア・ベルナル役所広司らの大物俳優に混じって、屈折した聾唖の女子高生を演じる菊池凛子の演技がひときわインパクトを放っている。

いずれの登場人物も孤独や寂寥感、うしろめたさを抱えて生きているが、そこには、コミュニケーションの問題が介在している。ことばが話せなかったり、通じなかったり、思いを素直に伝えられなかったり。しかし愛情を呼びさますことで、それらを克服できるのだと暗示しながらラストに至る。

旧約聖書とバベルの塔

この映画のタイトルは、旧約聖書『創世記』11章に記された『バベルの塔』に由来する。『バベルの塔』の物語は、メソポタミアの肥沃な土地に住みついて町を築き、繁栄を謳歌しつつあったノアの子孫たちが、一族皆が一緒に暮らせるようにと高層の塔を建てることを企図することから始まる。長年の作業によって、塔の建築は天に届くほどまでに進むが、人間の奢りを戒めようとした神は、それまで共通だった人間のことばを乱し、意志の疎通をなくしてしまうことで、建設作業を頓挫させる。

塔の建設をあきらめた人間は、以後、世界各地に分散し、それぞれの地域のことばを用いて会話するようになった。見捨てられた塔は「バベル(混乱)の塔」と呼ばれ、風雨にさらされるうちに朽ち果て、やがて砂に埋もれてしまったという。

この伝承で語られるバベルの塔は、実際に今もメソポタミアに痕跡を残しているとされる。新バビロニアの王ネブカドネザル2世(紀元前605年 - 紀元前562年)が造った神殿の跡がそれで、推定される塔は縦・横・高さともに90mの大きさの四角錐の7段構造で、頂上へはらせん状の階段が設けられていたという。

映画『バベル』公式HP