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2014年の冬季オリンピック開催地が、ロシアのソチに決定した。最有力と見られていた韓国・平昌(ピョンチャン)は、前回に続いて苦汁をなめ、地元市民が泣き崩れる姿が報道されていた。プーチン大統領の英語とフランス語による最終招致演説が、逆転を呼んだと伝えられている。
2016年の夏季オリンピック東京開催を目指す関係者にとっては、安堵する結果だった。平昌に決まっていれば、アジア地域で冬夏連続開催される可能性は低いと見られていたからだ。2016年夏季五輪の開催には、東京のほかに、マドリッド(スペイン)、シカゴ(アメリカ)、ドーハ(カタール)等、5都市がすでに名乗りを上げている。これから2009年10月の決定に向けて、各都市の招致活動が活発化していく。
日本におけるオリンピックは、1964年(昭和39年)の東京以降、1972年と1998年にそれぞれ札幌、長野で冬季五輪が開催された。64年の東京での初開催にこぎつけるまでの道のりは、JOCのウェブサイトに詳しいが、戦後の荒廃から完全に立ち直ったことを内外に示す意味からも、日本国民の悲願であったことが窺える。そして競技者だけでなく、その後の日本の青少年や市民のスポーツ振興にも、東京オリンピックが果たした役割が絶大なものであったことが解る。
半世紀ぶりの東京オリンピック開催に、今のところ国民の盛り上がりは少ないように見受けられる。当面、先の話でもあり、また次回夏季五輪の開催地が北京=アジアであることから、実現はたやすくないと見る向きもある。環境維持や経費面での課題も指摘され、反対意見も少なくない。
かつての東京五輪の記憶はかすかなものとなっているが、その頃、世界の国旗を覚え、ほうきをバーベル代わりに、重量挙げのポーズを真似たりした。石原都知事は「青少年の心に夢を与える」ことを招致理由に挙げているが、市川崑が監督・製作した映画『東京オリンピック 』を観ると、日本での初めてのオリンピック開催に、人々が皆夢中になった情景が蘇る。
この映画は、当時のオリンピック担当国務大臣だった河野一郎が試写で観て、「記録映画になっていない。」と酷評したことでも知られる。映画は一部修正を施したうえで公開されたが、結果的に日本映画史上空前の興行記録を打ち立て、カンヌ映画祭で国際批評家賞を受賞するなど高い評価を得た。市川監督のベスト作品との声もある。
「記録」よりも「描写」に力点を置いた構成で、首都高速道路の建設風景から映画は始まる。望遠レンズを駆使した103台のカメラで、アスリートとともに市井の人々の表情や動作がクローズアップされる。
当時の実況が断片的に入るが、記録映画に不可欠なナレーションは、一部を除いてあまりない。マラソンシーンでは、落伍していく選手の姿を執拗に追い、その過酷さを表現する。対照的に、表情を変えずに淡々とゴールするアベベの圧倒的な強さを浮き彫りにしている。もちろん日本人選手の活躍や競技の緊張感、醍醐味もあますところなく描出している。東洋の魔女、棒高跳びのハンセンとラインハルトの死闘や男子1万メートルのデッドヒート等々。
しかし何より印象的なのは、開会式で古関祐而作曲のオリンピックマーチに乗って、白い帽子と赤いブレザーの日本選手団が、全参加国の最後に整然と入場してくる場面。いっせいに立ち上がり、拍手で迎える観衆。誇らしげに行進する選手たち。今見ても、胸が熱くなる。この日、国立競技場でこの光景を目の当たりにした人たちの感動は、いかばかりであったろうか。
1964年に開催された東京オリンピックの全貌を記録し、ドキュメンタリー映画、記録映画というジャンルを確立、現在もその頂点に燦然と輝く歴史的大作が、いよいよDVDで登場!日本映画動員記録を持つ劇場オリジナル版に加え、開催40周年の記念すべき本年にふさわしく、市川監督積年の構想が結実し、音声も5.1チャンネルドルビーデジタル音声として新たにリミックスしたディレクターズカット版を収録。豪華2枚組。▼アマゾンレビューおすすめ度の平均:
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