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明治36年、「人生不可解」(正確なフレーズは “萬有の眞相は唯だ一言にして悉す、曰く、「不可解」。”)とミズナラの樹に辞世の詩を書き残して、旧制一高生藤村操が、日光華厳の滝に身を投じた。
その死は、哲学的煩悶によるものとされ、当時のインテリ青年たちが数多く後を追い、社会問題化したが、実は藤村の自殺は、数日前に失恋したことが原因だという説もある。いずれにせよ、藤村は当時でいう「神経衰弱(ノイローゼ)」状態に陥っていたと察せられる。
ストレスに覆われたビジネス社会で成人の自殺率が高まり、深刻視されているが、子どもの世界でもまた、いじめや不登校、受験の悩みなど、心を蝕まれるケースが増えている。人生でもっとも明るく自由な時間を満喫できるはずの大学生の中でも、進路上の不安や恋愛問題等で悩みを抱える者は多く、最近の大学では、必ず対応部署とカウンセラーを置いてケアに努めている。
スクールカウンセラーは、主に臨床心理士の資格を持つ人が務める。臨床心理士とは、臨床心理学の知識や技術を用いて心理的な問題を取り扱う「心の専門家」である。
従来日本では、こうした専門家は、「カウンセラー」「サイコセラピスト」「心理相談員」などの名称で活動してきたが、資格制度は未整備だった。そこで、心理臨床に関連のある16の学術団体(学会)が、1988年に「日本臨床心理士資格認定協会」を設立し、民間資格として「臨床心理士」を誕生させた。病院で、精神科医と協働して患者の治療を行ったり、犯罪被害や児童虐待の現場、高齢者の支援など、活動のフィールドが広がっている。
臨床心理士試験の受験資格として、まず日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院修士課程を修了することが必要となる。指定大学院にはカリキュラムや教員組織の内容に従い、第1種と第2種があり、第2種修了者の場合、受験する前提として、心理臨床現場で1年以上の経験を積む必要がある。
そのうえで、年1回実施される筆記と口述面接による試験を受け、合格して臨床心理士の資格が得られる。心理学を専攻内容とする専門職大学院修了者は、筆記試験(一次試験)のうち、小論文試験が免除される。
資格認定後も、臨床心理士には5年毎の資格更新が義務づけられている。日本臨床心理士資格認定協会や日本臨床心理士会が実施・指定する各種研修や関連学会の活動に、一定程度以上参加することが条件となる。個人のプライバシーや人生に深く関与するだけに、単にカウンセリング技術を備えるだけでなく、社会的道義を遵守する態度や内面的な資質の向上にも努めるべきことが、「日本臨床心理士会倫理綱領」で定められている。
●試験日:(一次)10月中旬 (二次)11月下旬/●申込期間:7月〜8月末日 /●結果通知:12月下旬
審査内容:臨床心理査定、臨床心理面接、臨床心理的地域援助及びそれらの研究調査等に関する基礎的知識及び技能
100題の設問(多肢選択法、マークシート方式)、および定められた字数の範囲内で論述する小論文の2種の試験。ただし、専門職学位課程修了者は、小論文は課されない。
多肢選択法(マークシート)による筆記試験の成績が一定の水準に達している者を対象。2名の面接委員により実施。審査は筆記試験(マークシート・小論文)および口述面接試験の結果を総合的に判断する。
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