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従来の司法試験では、受験生が司法試験予備校に何年も通い、択一試験突破のための解答テクニックや論点暗記を中心とした勉強を長年続けて、苦節△年の末にようやく合格するというケースが多く見られた。論理的思考力よりも暗記能力に長けたものが有利で、さらに一回の試験をクリアしさえすれば、社会常識が希薄で人間性に問題がある者でも法曹になれるという試験制度が、法曹の質の低下を招いているという批判は根強く続いていた。
こうした弊害を排するため、「法学教育、司法試験、司法修習」を有機的に関連させた『プロセスによる法曹養成制度』の実現が提唱され、その中核として法科大学院は誕生した。そこで理論、実務、倫理教育を厳しい教育課程を通じてしっかりと施されたロースクール修了生は、医師国家試験等と同じく、おおむねほとんど(7割程度ともいわれていた)が新司法試験をパスして法曹への道が拓けるというのが当初、制度設計の過程で想定、あるいは理想とされていたことだった。
しかしながら、全国の法学部設置大学を中心に、予想を超えて多くの大学が法科大学院創設に手をあげたため、法科大学院全体の収容定員が増えすぎ、当初想定されていた司法試験合格率は、初年度はともかく、将来的には維持されない状況になってきている。ある試算によれば、法科大学院修了生の司法試験合格率は、合格者数を増やさない限りいずれ30%以下、ともすれば20%程度になるとされ、司法試験に合格できないロースクール修了生の進路等が社会的に大きな課題となると思われる。それでも従来の3%程度の合格率から考えると、門戸は大きく広がったといえるわけであるが。
ともかく2006年度より新司法試験は下記の要領で実施されている。論文式問題は従来型のいわゆる一行問題とは異なり、(超)長文の事例文をひもといたうえで、解答を記述する内容。法律の基礎知識はもちろんのこと、論理的な思考力や実践的な法運用能力等、ロースクールでの学習成果を幅広く問う一筋縄ではいかない問題が出題され、一般的に良問との評価を得ているようである。
法科大学院課程の修了者
●試験日:5月中旬の4日間(短答式・論文式)/●申込期間:前年の11月下旬〜12月中旬/●結果発表:9月中旬
マークシート方式の多肢選択式
長文事例問題がいずれも2問ずつ出題され、記述式で解答
新司法試験には受験期間・回数の制限が加えられ、@法科大学院の修了の最初の4月1日から5年を経過するまでの期間内、A受験回数が3回の範囲内、という2つの条件のいずれかをオーバーした場合、受験資格がなくなる。つまり、法科大学院を修了してから5年が経過した場合、あるいは期間内に3回受験した場合に受験資格を失うことになる。
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