生涯学習時代の今日、世代を超えて多くの人々が、さまざまな学習活動を意欲的に行っています。このサイトでは、いろいろな勉強に役立つウェブコンテンツや書籍・教材を[勉強の道具]として紹介しています。

いろいろな勉強に役立つ書籍やウェブコンテンツを[勉強の道具]として紹介しています。

  1. HOME
  2. パソコン・IT >  インターネットの10年

インターネットの10年

ウェブの登場がもたらした大変化

いまやインターネット抜きの生活や仕事は考えられない時代になった。ビジネスにおいて、電子メールは顧客や同僚との連絡の必須ツールだし、飲み屋探しから本格的な調べ物まで、グーグルやヤフーの検索ボックスにキーワードを入力すれば、パソコンの画面がたちどころに情報誌や百科事典に変わる。買い物もネットショップでわが家にいながらに済ませることができ、行政サービスもインターネットを通じて利用できるようになってきた。ブロードバンドの普及により、音楽や映画のダウンロードサービスも充実する一方だ。

およそいつの時代でも、世の中の進展や技術の進歩は止まることを知らないが、この10年のインターネットの登場がもたらした、それもごく身近に起こった変化は目覚しいものがある。

こうしたウェブ(インターネット)の新しい潮流を解説して爆発的な人気を呼んだのが、経営コンサルタント梅田望夫氏が著した『ウェブ進化論 』。ネットに接している誰もが感じている大変化を説明したものだ。初版の1万2000部が3日間で売り切れ、その後たちまちのうちにベストセラーになった。ソフトバンク・インベストメントCEOの北尾吉孝氏は、全社員必読だと推薦したそうだ。

グーグルの席捲

『ウェブ進化論』では、ウェブの新しい潮流を「ウェブ2.0」「チープ革命」「ロングテール」といったキーワードを並べながら読み解いているが、この本の中で繰り返し触れられているのがかの「グーグル」。「世界中の情報を組織化する」ことを命題に、1998年に2人の青年によって創業されたグーグルこそ、ウェブ革命の牽引者だといえる。

梅田氏はウェブ2.0社会の特色として、グーグルのサイトすべてのサービスが不特定多数の人に対して自由に開かれていることだとする。そしてIT産業の基盤がネットの“こちら側”(インターネットの利用者に密着したフィジカルな世界)から“あちら側”(インターネット空間に浮かぶ巨大な情報発電所とでもいうべきバーチャルな世界)に移行したことを象徴するものとして、パソコンのOSやCPUを中心として業界を席捲してきたマイクロソフトやインテルが、IT世界の盟主の座をグーグル、アマゾン、ヤフーへ明け渡したことに見てとる。

また、ウェブ2.0の時代には、ブログなどを通してすべての人が表現手段を持つ“総表現社会”になったと指摘。情報の肥大化が進んだ中で、“玉”を探し出す手段としての検索エンジン戦争が始まり、革新的な技術でウェブページを体系化し、検索結果と広告を連動させるアイデアを実現したグーグルが圧倒的な勝利を収めたのだという。

時に専門的な話題に立ち入りながらも、具体的な事例や経験を交えた説明がわかりやすく、一気に読める。また、ネット社会の行く末にさらなる未知の世界の到来を予感させ、刺激的な内容である。

一方梅田氏が別の雑誌の取材で、「リアル社会の生活が充実しているのなら、無理してネットをする必要はない」「教養として、ネットで何が起きているか、時々見ておく。その程度でいいのだと思う」と述べているのには安堵感も覚える。

10年前に“ウェブ2.0”を予測していた本

インターネットが本格的に私たちの生活に登場し始めた10年前、その実体や将来についてどのように捉えられていたのだろうか。

“知の巨人”立花隆氏が1996年に『インターネット探検 』という本を上梓している。インターネット探検冒頭、NASACNNのホームページ、個人の手による面白サイトを紹介して、インターネットの世界への手引きを行いつつ、それらすべてがアメリカのサイトで、情報発信の日米格差を指摘したりしている。

特にホームページのハイパーリンク機能に注目し、「一口にいえば、新しい巨大な情報メディアである」と感嘆し、「これは何かとんでもないことが起きつつあるのだということに気がつき始めた」と書いている。

そして慶大教授(当時助教授)村井純氏や識者との対談の中では、『ウェブ進化論』で指摘された事柄が、ある程度予見されているのに目を引かれる。

例えば「これからますます情報空間内における、情報の生産、流通、消費が経済の中心になり、そのためのツールの生産などというものは、経済の脇役におしのけられてしまうのではないか」とか、「金を出さないと情報を与えない、という者はどんどん少なくなる」「人が沢山くるサイトができると、そこに広告を出したいという人が出てくる。雑誌広告と違っていろいろなことができる。広告業界の概念を変えるのではないかと思う」等々、その慧眼ぶりを発揮している。

ところで、あらゆるウェブサイトについて1996年以降のページ内容を検索できるようにしているのが、「 WAYBACK MACHINE」というサイト。インターネット上のすべてのページやテキスト、動画、音声などをアーカイブして後世に残していくことを目的として、非営利団体アメリカInternet Archiveが運営している。

検索ボックスに、見たいサイトのURLを入力すると、1996年以降、現在までの当該サイトの内容の変遷を確認でき、ホームページの作成技術や掲載情報の深化もまた著しいことがわかる。

MochioUmeda.com