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英文法

話せるために

文藝春秋2006年8月号で、『何で小学校で英語やるの』と題して、英語学者として共に著名な文藝春秋鳥飼久美子氏とマーク・ピーターセン氏が対談している。

「早くから始めれば英語が話せるというのは大間違い」と、2人とも小学校の英語教育必修化に反対を唱える立場だが、小学校英語の是非はともかくとして、この中でピーターセン教授が「学校では会話でなく文法を教えるべき」「日本の英語教育はオーラル・コミュニケーションに偏りすぎ」「基礎的な文法を知らないと、会話はできない」等、しきりに文法を学ぶことの重要性を強調していることが目を引く。同時に「日本人は文法が得意だとは言えない」と指摘している。

日本人が何年英語を学習しても話せるようにならないのは、文法偏重のせいとの批判がある一方、逆に日本人の多くが、曲がりなりにも英文を読めるのは、中・高校で英文法をしっかり学んだ成果だと学校の文法教育を評価する声もあるが、ピーターセン教授はどちらも否定している格好だ。

英語にひそむ発想やロジックを理解する

ピーターセン教授の『日本人の英語 』では、日本人の英語冠詞、単数・複数、時制の問題等、文法的かつ比較文化論的な観点から日本人が間違いやすいポイントが解説されている。また同じくネィティブスピーカーにより日本人の英語の弱点を指摘した『ここがおかしい日本人の英文法 』(T.D.ミントン)は、より読みやすい内容で、例えば未来を表す時制「will」と「is going to」のシチュエーションによる使い分けなどを豊富な例文で説明している。

ピーターセン教授とミントン教授が、かつてアルクが発行する英語雑誌『ENGLISH JOURNAL』誌上で対談しているが、「日本人学習者にとって、英語に存在する多様な動詞時制の必要性を理解するのは非常に難しいことだ」と一致した意見を述べている。しかしながら「動詞の時制を間違えたら、外国人と意思の疎通を図る上で多くの問題が生じかねない」「理屈を説明することはできるが、自然な形で使えるようになるには、テレビ番組や映画を見るなど、話しことばにひたすらさらされて練習あるのみ」とも。

「ひたすら練習」と聞くとため息をつきたくなるが、“話すための英文法”として、とりあえず英米人の発想や英語にひそむロジックを知ることが第一歩といえそうだ。

ニューヨークタイムズ